うつ病体験談。メンタルを壊して失ったもの・時間

生き方
ruby
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筆者、昨年うつ病になりました。

回復した今も、ストレス耐性はかなり下がりました。

僕は昨年、職場のストレスによりうつ病を経験しました。程度としては軽度なものではありましたが、それでも十分な絶望を味わいました。

幸い、うつ病になって半年ほどで、部署を異動することができたので、早期に回復することができましたが、残念ながら精神面においては元の状態には戻りませんでした。

今回は鬱になって起きた体の変化と失ったものなど、具体的にお伝えできればと思います。

自分がうつになるとは夢にも思わなかった

僕は昔からどちらかというと仕事人間で、自分で言うのもおかしな話ですが、仕事の能力、対人コミュ力的には標準的な人よりもやや高い業務処理能力を持っていました。(決して優秀とまでは言えないですが)

そのため、うつにかかるまでの18年間は、仕事上特に大きなトラブルもなく、周りの人間が精神を壊しても、自分はまったく調子を崩すこともなかったため、自分に精神病は縁がないものだと心の底から思っていました。

ところが、一昨年異動した部署の業務があまりに自分にとって相性が悪く、移動後わずか半月で激しい胃痛が始まり、そしてその2ヶ月後には不眠や頭痛が常態化しました。

体調が悪くなったことは自分としてもはっきりと認識しており、その原因も異動後の部署が自分にとって極めて合わないためだと考えました。

これまで様々な部署を渡り歩いても問題が無かったにもかかわらず、新たな部署ではわずか数ヶ月で心身の不調を引き起こしたことは、僕自身も衝撃的でした。

鬱になって起こった体の変化

①朝から晩までずっと下痢。胃が常時痛む

胃はストレスに弱いといいますが、僕もご多分に漏れず最初に不調となったのは胃です。

かなり強めの腹痛、そして便が常に下痢化し、一日10回くらいはトイレに駆け込んでいました。

様々な胃薬を飲んでみましたが、中々効果が出ず、インターネットで色々調べた結果辿り着いたのが、「過敏性腸症候群」という病気です。

過敏性腸症候群とは、検査をしても腸に炎症や腫瘍などの異常がないのに、腹痛や腹部の不快感を伴って、下痢や便秘などの便通異常の症状が長く(数か月以上)続く病気です。
命にかかわる病気ではありませんが、お腹の痛み、下痢や便秘、不安などの症状のために日常生活に支障をきたすことが少なくありません。

過敏性腸症候群・機能性胃腸症 | こがね町すこやかクリニック
当院では、検査をしても腸に炎症や腫瘍などの異常がないのに、下痢や便秘などの便通異常の症状が長く続く【過敏性腸症候群】、胃のもたれや痛みなどの症状が長く続く【機能性胃腸症】に対し適切な治療を提案いたします。

こがね町すこやかクリニックHPより

幸い、これに対応する市販の薬があったので、そちらを服用し症状は緩和しました。

その後精神科に通うようになってからは、同様の薬を処方してもらえたので、そちらを服用してからは更に症状が収まりました。

「過敏性腸症候群」はかなり長期化する病気のようですので、早い段階で処置出来たのはラッキーでした。

②頭の回転が止まって考えることができなくなる

うつになることで何が一番辛いかっていうと、考えることが出来なくなることです。

仕事のことでも、プライベートのことでも、深く思考しようとしても、考えを掘り下げることができなくなります。

途中から頭がボーッとしてくるんですね。

休職中などで、考えなくても良い環境にあるならいいですが、仕事と治療を両立させようとする場合は、嫌でも脳を回転させなければならない場面に遭遇します。

でも考えても良い答えは出てこないし、仮に良い答えが出ていたとしても、それが良い答えだという認識をすること自体ができなくなっているので、結局さらに考えようとしてしまいます。

そんな状態が続くと、当然焦りが出てきます。仕事をしている以上、何かしらの成果を出さなければならないわけですが、思考が出来ない頭ではそれは叶いません。

この状態に一度入ると無限ループが始まります。

僕の経験上、気合と根性でこの状態から抜け出すことは不可能で、自然に気持ちが安定してくるのを待つか、薬物の摂取により、強制的に安定させる以外の方法はありません。

幸い、鬱になったことでその部署は1年で離れることができたので、部署異動後は劇的に回復し、今ではこのようにブログを書くこともできるようになりました。

③ストレスが掛かった時に、胸が締め付けられ、動悸が激しくなる

これはうつ病が発症するまで経験がなかったことです。

仕事やプライベートで嫌なことが起き、ストレスが掛かった際に胸が痛くなるというか締め付けられるような感覚になります。

これが起きると心拍数が上がり、日中の騒がしいなかでも心臓の鼓動を感じるくらい動悸が激しくなります。

この状態になると、しばらく休憩しないと思考は回らないし、そもそも椅子に座っている事自体が辛くなります。

なお、部署異動後も、うつ発症前に比べると少ないストレスで、動悸が発生するようになりました。この症状は今後改善するのか、一生このままなのか、現時点ではわかりません。

④夜、眠気が来なくなる。布団に入っても心音がうるさくて寝付けない

鬱になると夜眠れなくなります。不眠症状態ですね。

布団で横になっても妙に心臓の音が頭に響き、入眠を邪魔してきます。

そして、ものすごく疲れているにもかかわらず、眠気が来なくなります。布団に入って1時間も眠れない状態が続くと、更に眠気がなくなり、妙な覚醒状態になります。

翌日が休日であればいいですが、出勤日である場合は完全に寝不足状態に陥ることになるため、不安を余計に増長させ、その不安がさらに入眠を妨げ・・・・という抜け出せないループに嵌っていくことになります。

当時の僕は、眠れないことがわかっていたため、仕事から帰ってきたらすぐに布団に入ってました。仕事の時間以外は全て布団の中で過ごすスタイルを取らざるを得ませんでした。

幸いなことに、僕の所属している会社は有給休暇は自由に取得できる(基本的に休もうが何しようが自分の持分さえ処理すれば良い会社だったので、休んだ仕事は、夜間や自宅で処理してた)ため、午前中休暇を取って、午後から出勤するといった対策を取ることが出来ましたが、シフト制の会社であればこうはいかないでしょう。

⑤すべてのものに興味がなくなる

端的にいうと、生きる希望がなくなります。自分の生命すらどうでも良いような気分になります。

僕自身の例としては、地下鉄の線路に吸い込まれるような感覚に襲われました。かろうじて自制心が残っていたため、「これは危ない状態ではないか」と認識できていたので、事なきを得ましたが、今思い返しても、あの時は非常にまずい状況でした。

また、興味のあったはずの趣味なども全てどうでもよくなりました。

大好きだったゲームも、写真撮影も、何もかもができなくなりました。先述した「考える行為」ができないため、「楽しむ」という概念自体が消えるんですね。

最悪なのは、家族に対してもそれは同じということです。

闘病中は家族サービス的なことはしてあげられませんでしたが、幸い、うちの家族は妻も子もポジティブ思考で、僕の状況を見ても楽観的に接してくれたため、ある意味気楽に過ごせたことは幸いでした。

ちなみに、今はゲームをやれるくらい、趣味などを持てるように戻りつつあります。

うつ症状が回復後は投薬の減量。離脱症状との闘い

僕のうつ病は、部署異動によって回復することができました。

合わない部署の時はいくら休んでも回復しませんでしたが、環境が変わると途端に状況が改善し始めました。

これに伴い、かかりつけの医師も、薬の減量を提案してきました。

うつ病系の薬は、急に投薬を止めると強烈な離脱症状が起こるため、基本的には徐々に薬を減らしていきます。

この離脱症状は思ったよりも大変でした。

僕の場合、職場異動し3ヶ月が経過した頃に投薬量を減らし始めたのですが、減らした途端、4日間ほど再び不眠症に陥りました。

加えて、強烈な吐き気、頭痛や動悸に襲われ、薬の量を戻したいとすら思える辛さです。

ここで離脱症状を凌ぎきれるかどうかが、完治への道のりを大きく左右します。

僕の場合は先述したとおり、休暇は自由に取れる会社であったため、離脱症状が出ている間は、症状が治まる午後から出勤するようにし、なんとか凌ぎ切ることができました。

まとめ:うつは一度でも経験してはいけない

うつ病は絶対経験しない方がいいのは間違いないです。うつを乗り越えて以前より強くなった!って人、聞いたことがない気がします。

一度発症すると自分の力で乗り越えるのは極めて難しいのがうつ病です。

むしろ自分の力で乗り越えようとする人こそ危ないとすら思います。

他にも、鬱になると虚無な時間が増えるため、限りある貴重な人生の自由時間が減ります。これもすごくもったいないです。

僕は鬱を患って1年2ヶ月の中堅クラス(そんな基準はない)のメンタルブレイカーですが、心は本当に弱くなったと実感します。

すでに1年以上経過しているし、精神科の医師からも薬を減らしても良い頃と言われている中でも、僕個人の感覚では、未だに完全復活の兆しは見えていない状況です。

調子がいい日が続いても、突然うつ症状が現れることがあるなど、とにかく長くしつこい病気です。

まとめ(追加):サラリーマンだからこそ、うつ病になる前に行動を!

うつ病になる気配がしたら、頭が回るうちに絶対に休むべきです。本格的に鬱になってからだと正常な判断ができなくなります。

体調が悪い時に休めるのは、サラリーマンの最大のメリットです。これを十二分に活用し、絶対にうつ病にならないように、長い人生を乗り切っていきましょう。

大丈夫。自分が休んだところで代わりはいくらでもいるんです。組織とはそういうものです。

周りに迷惑をかけることになるから休めないと考えるのは正しいとは思いますし、プライドが邪魔して休めないこともあるでしょう。

しかし結果としてうつ病になってしまえば、更に長期間周囲に迷惑をかけることになりますし、完治するのは極めて難しいです。

自分も周りの人も、すべての人が不幸になる。それがうつ病です。

人生は長いようで短いです。一時の無理によって人生を壊してしまわないよう、心がけていきたいものです。

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