雨の日、特に雨の日は非常に視界が悪くなります。
夜はただでさえ暗くて見えないのに、雨によって黒いものと光るものの明暗差が激しくなることで、あらゆるものが見えにくくなります。
なので、雨の夜は可能な限り自動車を運転しないようにするのがベストです。
とはいえ、どうしても車を出さなければならない時もありますよね。
今回は、少しでも雨の日の運転を安全に行えるよう、必要な道具を紹介していきます。
万一、人身事故でも起こしようなら目も当てられない事態となりますので、皆さんの交通安全の一助になれば幸いです。
夜間の雨にとって最悪の汚れである水アカ・ウロコとその対策
雨の日の夜は運転はいかに視界をクリアに保つかが最も重要です。
いくらヘッドライトを性能の良い明るいものに変えても、窓ガラスが汚れたままの状態であれば、ライトの明るさが台無しになりますし、場合によってはライトが明るいばかりに光が乱反射して、より視界が悪化するなど、仇となる場合もあります。
汚れにもいくつか種類がありますが、わかりやすい実例を挙げるならば、↓のような状態です。
Apple iPhone 14 Pro (6.86mm, f/1.78, 1/50 sec, ISO800)
見ての通り、ワイパーで水滴を避けても水アカの層によってウロコ状にガラスが白濁しているのがわかります。
前の車のナンバーを認識できないレベルで曇っています。
これはワイパーの拭き残しではなく、ワイパーでは除去できない水アカがガラスに固着していることで発生します。
この水垢は、一般的な洗車方法では除去することがかなり難しいです。
カー用品店で販売されているような一般的な洗車用洗剤では汚れは取れません。
ですので、これを使います。
Google Pixel 8 Pro (6.9mm, f/1.68, 1/68 sec, ISO112)
こうした固着した水アカ汚れ専用のクリーナーです。
要はコンパウンド系の商品なので、汚れを洗剤成分で落とすのではなく、研磨によって削り落とすというイメージです。
この製品を使えば、ほぼ100%に近い精度(自分の体感)で汚れを除去することができます。
使用後の窓ガラスがこちら↓
Apple iPhone 14 Pro (6.86mm, f/1.78, 1/33 sec, ISO1000)
大体除去できていることがわかりますね。
前方の車両がくっきりと写っています。
この製品の良いところは、コンパウンドの粒度が絶妙であるということです。
結局コンパウンドなので、一般的な研磨剤でも良いではないか?と思うかもしれません。専用品じゃないため価格も安いですし。
ですが、窓ガラスの研磨は一つ間違うと、ガラスに細かい傷が大量に入ってしまい、水アカが取れてもガラスに入った細かいキズによって対向車のヘッドライト等が乱反射してしまい、水アカがついている時と同様に視界不良に陥ります。
その点、こちらの水垢とりパッドはそうしたガラス面への傷は最小限に抑えられているため、研磨によるキズが視界に影響することはありません。
使い捨てであるため、使用する都度新品を用意しなければならないですが、コストに見合った良製品と言えますね。
撥水コーティングによる視界不良とその対策
先ほどの水垢と同様に問題なのが撥水コーティングによる視界不良です。
ガラコをはじめとする撥水系の商品は比較的メジャーで、使用した経験のある方も多いと思いますが、この類の商品も意外な落とし穴があります。
それは、きちんと施工しないと夜の雨では却って見えにくくなるという現象です。
フロントガラスの撥水系コーティングは、日中の雨に対しては非常に有用な製品で、ワイパーを動かさなくても走行による風圧で雨粒を飛ばせます。
風圧で雨粒が飛んでいく様は見ていても面白いですし、実用面においても、程度にもよりますが、日中ならば雨天でもノーワイパーで走行が可能です。
しかし夜間の雨の場合、ワイパーを動かさなければならないシーンにおいて、ワイパーで雨粒を除去した際に薄らとコーティング剤による白い膜ができることがあります。
ちなみにこの膜は、ワイパーによって拭き取られた直後に短い時間発生するものであり、一定時間経過後にはほぼ完全に消えますが、ワイパーを動作させる度に発生してしまいます。
この膜は先ほどの水垢による汚れと同様、光を乱反射させるため、短い時間ですが視界が真っ白になり、視界を妨げます。
なお、この白い膜ができる現象は、純粋なガラス用撥水コーティングだけでは発生しずらい、または発生しても影響が少ないのですが、ボディ用のワックスやコーティング剤の成分など、油膜が何らかの理由によりフロントガラスに付着した場合、それらと合わさって悪さをすることが多いです。
これらを改善するためには、白い膜ができる原因(主に油膜)を除去する必要があり、油膜除去用のウォッシャー液や、専用ウエスなどが販売されていますので、まずはそちらを使って除去すると良いです。
ワイパーの劣化による拭き取り不良とその対策
最後にワイパーが原因である視界不良です。
こちらは単純にワイパーのゴムの劣化や破損による拭き取り不良となりますので、細かい説明は不要かと思いますが、ワイパーはワイパーアームによってガラスにワイパーゴムを押し付け、窓の水滴を掻き出す仕組みになっています。
したがって、ゴムが劣化によりしなやかさを失っていたり、経年劣化によってワイパーゴムの一部が欠損したりすると、窓ガラスに付着した雨粒を綺麗に掻き出せなくなってしまいます。
ちなみに、通常の速度域であればカー用品店で販売しているどのワイパーを使用しても問題なく水滴を書き出してくれますが、高速道路を利用する際など、一定以上の速度域で走行する場合は、走行による風圧でワイパーがフロントガラスに密着せず、浮いてしまう場合があります。
この場合は、走行の風圧を利用してワイパーに対するダウンフォースを得られるエアロワイパーという製品も販売していますので、価格は少々高くなりますが、こちらを利用すると良いでしょう。
ワイパーは使用状況や保存状態にもよりますが、2年持たない時もありますので、吹き残しが発生した場合は、新品のワイパーブレードまたは、ゴム(ゴム交換式の場合)を購入しましょう。
まとめ
夜間の雨は本当に危険です。
今回は窓の外側について触れましたが、内窓についても精製水や無水エタノールで綺麗にすれば、更に夜間の視認性が向上します。
今回紹介した3つの手法はワイパー交換を除けば2千円もあれば実践できるものですので、少しでも夜間の安全性の確保や、視界不良による運転のストレスを軽減したい方は試して見ていただければと思います。
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