スマホカメラ動体オートフォーカス性能比較

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動体でのオートフォーカス性能について、テストを行いました。

テスト内容としては、プラレールを使用し、Hiモード(高速)と通常モードで、それぞれ遠距離から迫ってくるシーンをシャッターボタン連打(連射モードではない)するものです。

もう一つは、単写(シングルAF)での歩留まりについて、テストしました。

評価の判断基準としては、フォーカスに要する時間ピント精度の総合力としています。

撮影環境は以下の明るさで行っています。

  1. 動体オートフォーカス性能比較
    1. iPhoneXR
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    2. Pixel 7a
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    3. Galaxy S23 Ultra
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    4. AQUOS R6
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    5. iPhone13 Pro
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    6. Pixel6 Pro
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    7. Pixel 5
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    8. Xperia 1(初代)
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    9. iPhone6s
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)
    10. ZenFone3
      1. 高速動体(シャッターボタン連打)
      2. 低速動体(シャッターボタン連打)
      3. 高速動体(シングルAF)
      4. 低速動体(シングルAF)

動体オートフォーカス性能比較

iPhone13 Proの評価を基準(オール7点)とした場合の、各スマホの評価点は以下のとおりです。

機種名 発売時期 順位 高速動体
AF速度
高速動体
AF精度
高速動体
シングルAF
低速動体
AF速度
低速動体
AF精度
低速動体
シングルAF
合計 備考
iPhoneXR 2018年10月 1 7 7 7 7 7 7 42
iPhone13 Pro 2021年9月 1 7 7 7 7 7 7 42
Google Pixel 7a 2023年5月 3 5.5 6.5 7 5 7 7 38
Samsung Galaxy S23 Ultra 2023年4月 8 3 7 5 3 7 6 31
SHARP AQUOS R6 2021年6月 10 2 2 4 2 3 5 18
Pixel6 Pro 2021年10月 5 5 7 6.5 5 5.5 7.5 36.5
Google Pixel 5 2020年10月 4 5 6.5 7 5 7 7 37.5
SONY Xperia 1 2019年6月 8 4.5 7 3 5 6.5 5 31
iPhone6s 2015年9月 5 4 6.5 6 7.5 6.5 6 36.5
ZenFone3 2016年6月 7 3.5 7 5 3.5 7 6 32 自動露出が遅い

iPhoneXR

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
Apple iPhoneXR 2018年10月 1/3.0型

高速動体(シャッターボタン連打)

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

 

低速動体(シングルAF)

Pixel 7a

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
Google Pixel 7a 2023年5月 1/1.73型

高速、低速ともに、総じてかなり優秀なオートフォーカス性能です。

被写体が高速に移動してもオートフォーカスはきちんと追従しますし、顔認識・ピント精度も十分でています。

シャッターボタンを連打しながらの連続AFでも画面が固まることなくスムースに撮影でき、非常に使い勝手がよいオートフォーカスです。

高速動体(シャッターボタン連打)

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

Galaxy S23 Ultra

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
Samsung Galaxy S23 Ultra 2023年4月 1/1.3型

明所における動かない被写体に対しては、極めて優秀なオートフォーカス性能を誇るGalaxy S23 Ultraですが、動体へのオートフォーカス性能はかなり低めと言えます。

動いている被写体へはシャッターを切ること自体が難しく、今回のテストでは、被写体の速度に関わらず、1秒間に1回シャッターを切るのが精一杯でした。

単写(シングルAF)についても、シャッターボタンを押してから撮影されるまでは大きめのラグがあるため、実際の撮影位置がかなりズレます。

ちなみに、撮影された写真自体は必要十分なピント精度が出ていました。

高速動体(シャッターボタン連打)

低速動体(シャッターボタン連打)

 

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

AQUOS R6

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
センサーサイズ
超広角
SHARP AQUOS R6 2021年6月 1/1.0型

AQUOS R6は動体撮影に向かず、かなり厳しい結果となりました。

テスト撮影を行っている際も、高速動体については一度もオートフォーカスが合焦しないこともあるなど、動体撮影は諦めたほうがよいレベルです。

また、ピント精度についても、まれにピントが合った写真を撮影できる程度で、殆どの写真はピンボケ状態です。

単写(シングルAF)でも顔認識は十分しているものの、シャッターボタンを押してからのラグ、ピント精度ともにかなり厳しい結果となりました。

もっとも、AQUOS R6は1インチという最も大きなセンサーを搭載しているため、他機種と比べてもピントが薄く、ジャスピンを得ることが難しいこともあるでしょう。

静止物であればそこそこのAF精度はあるので、フルオートでの撮影は割り切りが必要なスマホだと思います。

高速動体(シャッターボタン連打)

 

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

iPhone13 Pro

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
Apple iPhone13 Pro 2021年9月 1/1.7型

高速動体、低速動体ともに極めて安定しています。

フォーカス速度もかなり速く、また、シャッターは好きなときに切れるため、撮影へのストレスが全くありません。

ピント精度も良好で、至近距離まで寄った写真もジャスピンとは言えないものの、実用レベルのクオリティが維持できています。

高速動体(シャッターボタン連打)

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

Pixel6 Pro

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
Google Pixel 6 Pro 2021年10月 1/1.31型

動体への対応力はかなり優秀なスマートフォンです。

AF速度はiPhone13 Proほどではないにせよ、十分実用レベルですし、中距離までのピント精度はiPhone13 Proよりもわずかに性能は上です。

テスト撮影では、なぜか低速動体でのピント精度が低く、高速動体の方がジャスピン率が高い謎結果になりました。何度やっても同じだったので、低速だと動体予測機能が動作しなかった可能性もあります。

単写(シングルAF)については、すべての速度域でAF速度・精度ともに非常に良好な結果が得られました。

高速動体(シャッターボタン連打)

 

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

Pixel 5

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
Google Pixel 5 2020年10月 1/2.55型

Pixel 7aと極めて近いテスト結果となりました。

AF速度、精度ともに高レベルに安定しており、7aと比べると遠距離で顔を認識するのが遅いような気がしますが、実用上の違いはないでしょう。

センサーサイズが小さいため、ピントの山に厚みがあるとはいえ、3年前の端末で現行の7aと同様の結果となったのは評価して良いと思います。

高速動体(シャッターボタン連打)

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

Xperia 1(初代)

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
SONY Xperia 1 2019年6月 1/2.55型

オートフォーカス速度、精度ともに実用ラインは超えてきているといった印象です。

敢えて問題点があるとすれば、シャッターが切れるタイミングが気まぐれである点です。

これは機械的な問題というよりは、直前に撮影した写真のソフトウェア処理が間に合っていないことにより、生じている現象のように感じます。

SONYのスマートフォンらしく、顔認識や瞳認識の検出精度は素晴らしい一方、動体予測AFが追いついていないために、ある程度被写体が近づいた場合はピント精度が甘くなるのがもったいないところです。

単写(シングルAF)についても、十分なAF速度・精度は得られませんでした。撮影のラグも大きく、撮影したいタイミングで撮影ボタンを押してもかなり遅れてシャッターが切れます。

高速動体(シャッターボタン連打)

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

iPhone6s

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
Apple iPhone6s 2015年9月 1/3.0型

オートフォーカス速度、精度ともに、2023年5月時点での最新型Android端末に引けを取らない結果となりました。

高速動体については若干AF速度が追いついていない感はあるものの、ピント精度は十分出せています。

また、低速動体については、驚きのフォーカス速度で、2021年発売のiPhone13 Proすら上回る速さでシャッターを切ることができ、しかもピント精度も十分出ています。

一方で、単写(シングルAF)についてはAF速度は十分出ているものの、精度が今ひとつでした。

高速動体(シャッターボタン連打)

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

ZenFone3

機種名 発売時期 センサーサイズ
標準広角
ASUS Zenfone 3 2016年6月 1/2.8型

オートフォーカス速度についてはやや厳しい結果となりました。

また、顔認識が間に合っていないのか、撮影中は顔にピンとマークが出ていません。

とはいえ、撮影された写真はピント精度はほぼ問題なく、十分な画質を得ることができていると思います。

なお、オートフォーカスと関係ない話ですが、連続撮影をすると露出制御が間に合っておらず、明るさが安定しないのが気になるところです。

単写(シングルAF)については、シャッターラグはあるものの、精度についてはすべての速度域で十分な精度がでていました。

高速動体(シャッターボタン連打)

 

低速動体(シャッターボタン連打)

高速動体(シングルAF)

低速動体(シングルAF)

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